耐圧盤工法とは?家の傾き直しの費用・仕組みを解説

家の傾き 解決ガイド

耐圧盤工法とは?家の傾き直しの費用・仕組みを解説

家の傾きを直す耐圧盤工法

家の中でビー玉が自然に転がる、ドアや窓が急に閉まりにくくなった——そんな違和感に気づいて不安になっていませんか。

この記事で分かること(3行結論)

  • ①何をする工事か:耐圧盤工法とは、既存基礎の下に新しい耐圧版(コンクリート、もしくは鋼製の板)を設置し、これを反力にしてジャッキアップし建物の沈下を修正する工事です。
  • ②費用目安:弊社施工実績に基づく目安として200万〜500万円程度(建物規模・沈下程度により変動)。
  • ③向いている建物・ケース:支持層が浅い地盤(目安2m以内)にあり、建物規模が大きい・特殊な構造を持つ建物に適用しやすい工法です。

五月女建設は複数の資格者が施工に関わり、10年保証(GS10)をご希望の場合は第三者機関による審査も実施しています。

耐圧盤工法とは?この記事で分かること

耐圧盤工法とは、直接基礎の下に耐圧版を新設し、これを反力として利用してジャッキアップし沈下を修正する工事です。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)の技術関連資料集K-1-702「耐圧版工法」やNPO住宅地盤品質協会「小規模建築物の沈下修復方法の手引き」(2013年)に、同様の工法概要と設計方法が示されています。

つまり耐圧盤工法とは、地盤全体に荷重を面で分散させながら、ジャッキアップという精密な作業で建物の水平を取り戻す工法だといえます。

私たち五月女建設は曳家工事を主軸としながら耐圧盤工法にも対応してきました。耐圧盤工法という専門性の高い工事では、建物・地盤に知識に精通した職人の判断が施工の質を左右します。

「うちの傾き、大丈夫?」放置すると危ない症状とは

「ビー玉が転がる」「ドアが自然に開閉する」

——こうした違和感は、多くの方が最初に気づく沈下のサインです。しかし、どの程度なら本当に危険なのか、判断できる方は少ないでしょう。

国交省基準でみる傾きの危険度

国土交通省「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」では、建物の傾斜を次のように区分しています。

  • 傾斜3/1000未満:瑕疵の可能性は低い
  • 傾斜3/1000以上〜6/1000未満:瑕疵の可能性が一定程度存在する
  • 傾斜6/1000以上:瑕疵の可能性が高い(ドアの自然開閉、傾いた環境での生活による心理的ストレスや不快感を訴える方もいます)

NPO住宅地盤品質協会の手引きでも、沈下修復の要否を判断する目安として、傾斜6/1000程度以上、変形角5/1000程度以上、不同沈下量25mm以上といった数値が示されています。

家 傾き 健康障害

これらの基準を知っておくと、「気にしすぎかも」と放置してしまうリスクを避けられます。

ビー玉が転がる速度や、建具の閉まり具合に違和感を感じたら、まずは無料の傾き診断で数値を確認することをおすすめします。

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耐圧盤工法の仕組み|なぜジャッキアップで沈下が止まるのか

耐圧盤工法の仕組みをもう少し具体的に見ていきましょう。住まいるダイヤルK-1-702の定義に基づくと、耐圧盤工法は以下の2段階で構成されています。

  1. 耐圧版の新設:既存の基礎の下に新しい鋼製、もしくはコンクリートの版(耐圧版)を設置します。
  2. 反力としたジャッキアップ:設置した耐圧版を反力として活用し、油圧ジャッキで建物を持ち上げながら沈下を修正します。

このとき重要になるのが、耐圧版がどの深さの地盤で受けを取っているかです。耐圧版が支持層(比較的硬く安定した地盤)に到達していれば、再沈下は発生しにくくなるのです。

一方で、支持層に到達しないまま施工を終えてしまうと、地盤が再び軟弱層の圧密や液状化の影響を受け、再沈下につながる可能性があります。だからこそ、施工前の地盤調査で支持層の深さを正確に把握することが欠かせません。

耐圧盤工法:施工の流れ|調査から水平確認までの5ステップ

耐圧盤工法の施工は、大きく5つのステップで進みます。

ステップ1:地盤調査(SWS試験)

まず、スクリューウエイト貫入試験(旧称:スウェーデン式サウンディング試験、SWS試験)を実施します。

JIS A 1221:2020で規定されるこの試験は、地盤の硬軟・締まり具合・土層構成を静的貫入抵抗によって評価する方法です。

この調査で支持層の深さを確認できるため、耐圧盤工法が適用できるかどうかの判断材料になります。大型重機を使わないため、調査段階から騒音・振動を抑えられます。

ステップ2:診断報告書の作成

墨出しレーザーを用いて1間(1.82m)間隔ごとに1mm単位で沈下量を計測し、結果を色の濃淡で示すヒートマップにまとめます。傾き(x/1000)は品確法基準に応じた色付き矢印の図で示すため、専門知識がなくても状況を把握しやすい資料です。

ステップ3:耐圧版の設置

契約を頂いたら、建物のコンクリート基礎の下を掘削し、地盤に耐圧版(鋼製、もしくはコンクリートの板)を設置します。給排水に絡まない修正工事であれば生活を続けながら施工を進められます。

ステップ4:ジャッキアップによるレベル調整

設置した耐圧版を反力として、レンドージャッキ®(同調ジャッキ)を用いてミリメートル単位の精密な修正を行います。高さの最終確認は熟練職人が一箇所ずつ目視で確認するため、機械任せにしない品質管理を徹底しています。

ステップ5:水平確認・完了検査

水平器や測定器を用いて最終的な水平確認を行い、施工前後の建物傾きデータを自社で記録・保管します。この記録が、後述する保証体系の根拠資料にもなります。

耐圧盤工法と他の沈下修正工法との違い【比較表】

沈下修正工事には複数の工法があり、それぞれ支持層到達の有無や費用水準、再沈下リスクの傾向が異なります。耐圧盤工法を検討する際は、以下の観点で比較することをおすすめします。

工法支持層到達の有無費用水準の傾向再沈下リスクの傾向
耐圧盤工法支持層が浅い(目安2m以内)場合に到達させやすい弊社実績では200万〜500万円程度支持層到達時は抑えやすい
アンダーピニング(鋼管杭圧入)工法深い支持層まで杭を到達させる設計が可能支持層の深さにより変動する支持層到達を前提とするため抑えやすい
土台揚げ工法地盤改良を伴わない場合は支持層に依存しない比較的低コストになりやすい地盤自体の軟弱さが残る場合は再沈下リスクが残る

耐圧盤工法とは、支持層が比較的浅い(地表より2.0m以内)地盤において、面で荷重を受けながら沈下を修正する工法だと整理できます。

一方で、支持層が深い場合には鋼管杭工法、薬液注入工法のような別の選択肢が検討されます。

もっと詳しく知りたい人は・・・
アンダーピニング工法とは|費用・保証、失敗しない選び方

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薬液注入工法とは?費用・仕組み・向き不向きを一次データで解説

薬液注入工法 家の傾き サムネイル

どの工法が適しているかは、建物の現地調査、地盤調査の結果を見てから判断することが重要です。

耐圧盤工法が向いている建物・向いていないケース

耐圧盤工法とは、すべての建物・地盤に万能な工法ではありません。弊社の経験則では、以下の条件が適用の目安になります。

向いているケース

  • 支持層(砂礫層などの硬い地盤)が地表から浅い位置(目安2m以内)にある
  • その下に厚い軟弱粘土層が続いていない
  • 他の工法では対応が難しい特殊な構造を持つ建物

向いていないケース

  • 支持層が深く(目安2mを超える)、耐圧版だけでは十分な反力が得られない
  • 軟弱粘土層が厚く続いており、面で受けても圧密沈下が続く可能性がある
耐圧盤工法が向いている建物・向いていない建物

地盤調査の結果によって適用可否が変わるため、まずはSWS試験で支持層の深さを確認することが第一歩です。

耐圧盤工法の施工実績|460トン建物・洪水被災住宅の事例

耐圧盤工法とは、専門知識と経験の蓄積がなければ安全に施工できない工事です。地盤調査を省略したり、支持層の深さを誤って判断したりすると、再沈下だけでなく施工中の事故につながる恐れもあります。

五月女建設では、以下のような多様な建物・状況に耐圧盤工法を適用してきました。

  • 最大460トン・建築面積130㎡超の鉄筋コンクリート造建物
  • 洪水被害により基礎下が洗掘され、建物の一部が浮いている状態の一般住宅
耐圧盤工法 基礎下の洗掘
  • 建物外部エレベーターの基礎上げ
耐圧盤工法:エレベーターの嵩上げ工事

耐圧盤工法の前に|まずは無料の地盤・建物傾き診断から

「うちの場合、耐圧盤工法が向いているのか分からない」という方は、まず無料の地盤・建物傾き診断から始めてみてください。

診断では、墨出しレーザーによるミリ単位の測定を行います。

その結果の報告書には、沈下量ヒートマップ図や傾き勾配図、地盤リスク(地震の揺れやすさ、今後30年における震度6強の確率、地盤の硬さ、地形分類、液状化のしやすさ)も記載されるため、修正後のリスクや最適な工法を判断する材料として活用できます。

洪水被害を受けた住宅や、460トン規模の建物にも対応してきた実績があるからこそ、どんな状況でも「まずは現状を正確に把握する」ことを大切にしています。診断は約60〜90分。

もちろんその場での契約は求めません。

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耐圧盤工法に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 工事中も家に住み続けられますか?

給排水に絡まない修正工事であれば、住みながら沈下修正工事を行える場合が多くあります。工事内容によって異なるため、事前の診断時にご確認ください。

Q2. 耐圧盤工法の効果は本当に続きますか?

耐圧版が支持層に到達していれば、再沈下が発生する可能性を著しく抑えることができます。ただし、実際の支持層の深さや土質は現場ごとに異なるため、施工前の地盤調査の結果を下に鉛直支持力や水平力に対する抵抗、モーメントに対する抵抗を確認することが重要です。

Q3. なぜ耐圧盤工法にはこれだけの費用がかかるのですか?

弊社施工実績に基づく目安として200万〜500万円程度としていますが、これは公的な統一料金ではなく、建物規模や沈下の程度によって変動する目安です。地盤調査、耐圧版の設置、精密なジャッキアップ、水平確認までの一連の工程に、資格を持つ職人の技術と時間がかかるためです。

Q4. 業者選びで失敗するとどうなりますか?

例えば地盤調査もなく、沈下の原因究明を行わずに施工した場合、再沈下のリスクが高まったり、工事金額が不当に高額になることがあります。また建物構造の知識がない業者による施工では、施工中・施工後のリスク想定が不十分になることがあります。実際に、他社の土台揚げ工法で基礎の鉄筋・アンカーを切断したまま処理し、20年間無筋状態になっていたケースや支持地盤に到達していない耐圧盤工法で再沈下した建物も確認しています。業者選びの際は、資格・実績・保証体系を確認することをおすすめします。

Q5. 木造住宅でもRC造の建物でも耐圧盤工法は使えますか?

五月女建設では木造の一般住宅から、460トン規模の鉄筋コンクリート造建物まで、耐圧盤工法を適用した実績があります。建物の構造よりも、支持層の深さと地盤の状態が適用可否を左右します。

耐圧盤工法で私たちが選ばれる理由|保証・第三者監査の安心

耐圧盤工法とは専門性の高い工事であるからこそ、「誰が、どのように施工するか」が結果を大きく左右します。私たち五月女建設が耐圧盤工法においてお客様に選んで頂いている理由は、次の3点です。

全件自社記録、GS10では第三者機関審査

私たち五月女建設では、施工前後の建物傾きデータを全件、自社で記録・保管しています。

さらに10年保証(GS10)をご希望のお客様には、第三者機関による審査も実施。

第三者の目線が入ることで、施工方法の妥当性がより適切に確認されます。

耐圧盤工法で活きる|曳家工事で培った知識と経験

実は耐圧盤工法単体の件数だけでなく、普段の曳家工事を通じて建物・地盤に関する知識と経験を蓄積してきたことが、私たち五月女建設の強みです。

北関東でも数多くの施工に関わってきた実績が、様々な原因で沈下した建物の傾きを直す対応力につながっています。

耐圧盤工法の法的な保護の枠組みについて

新築住宅については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分について、引渡しから一定期間の責任(旧・瑕疵担保責任、現在は契約不適合責任という名称に整理されています)が事業者に課されています。

ただし既存住宅の沈下修正工事にそのまま同じ制度が適用されるわけではないため、保証内容は各事業者との契約で個別に確認する必要があります。

私たち五月女建設のGS10(10年保証)は、この点を踏まえ、第三者機関の審査を経た保証工事保険として設けているものです。詳しい適用条件については、無料相談でご確認ください。

耐圧盤工法を施工させて頂いたお客様からの声

実際に工事を経験されたお客様からは、次のような声をいただいています。

「生活の安心感が全然違う」

「足腰が落ち着いているのがわかる」

「現場の皆さんが汚れるのも気にせず一生懸命作業してくれて本当に嬉しい」

私たちがのサービスは決して「耐圧盤工法」という技術的な工事ではありません。
工事のその先にある、暮らしの安心を感じて頂くことが私たちのお仕事です。

まずは無料相談・無料診断から、ご自宅の状態を一緒に確認しませんか。もちろん相談・診断のみのご利用でも問題ありません。その場での契約を求めることもありませんので、お気軽にお問い合わせください。

家の傾きが気になる方へ、
代表が直接お答えします

五月女建設 代表取締役 五月女紀士

五月女建設 代表取締役 五月女 紀士

日本曳家協会 常任理事・曳家指導士

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参考:
耐圧盤工法の定義については、
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」の技術関連資料集をご参照ください。

この記事を書いた人

五月女建設株式会社 代表取締役 五月女 紀士

五月女建設株式会社 代表取締役

曳家工事において全国でもトップクラスの受注件数を持つ、家の傾き直しの専門家。「お客様の『想い』に寄り添い対等な関係を構築する」ことを信条とし、曳家技術・地盤沈下・大雨被害対策・古民家再生について解説や講演も行っています。3児の父。休日は山や川での犬の散歩が楽しみです。

資格・役職
曳家指導士/古民家鑑定士/一級土木施工管理技士/日本曳家協会 常任理事
主な実績
国指定有形文化財「真岡高校記念館」耐震改修工事 現場監督(曳家技術による)
経歴
1979年 栃木県鹿沼市生まれ、同市在住 日本大学生産工学部土木工学科 卒業 2003年 建設業界へ。土木作業・施工管理を経験 2005年 五月女建設に入社、曳家業務に従事 2018年 専務取締役に就任 2020年 代表取締役に就任
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