家の傾き直し 茨城県稲敷市|施工事例|木造平屋建古民家 腐食した柱の沈下修正

安心の施工事例

家の傾き直し 茨城県稲敷市|施工事例|木造平屋建古民家 腐食した柱の沈下修正

古民家 木材腐食

こんにちは。五月女建設「傾き相談室」です。

住むご家族の健康にも悪影響を及ぼす可能性がある、非常にデリケートかつ深刻な問題です。

今回は、茨城県稲敷市にお住まいのI様邸(築100年を超える立派な古民家)で行った、家の傾き修正工事の施工事例をご紹介します。お客様から「襖が固くなって動かないので、おそらく建物が傾いているのではないか」というご相談をいただき、私たちが実施している「傾き無料診断」にお申し込みいただいたことがきっかけでした。

この記事では、家の傾きに関する専門家・専門業者としての視点から、傾きの原因究明プロセス、強固な材質と確かな数値データに基づいた「耐圧盤工法」による修正工事の全貌、そして気になる工事費用まで、包み隠さず徹底的に解説いたします。

今現在、家の傾きでお悩みの方、あるいは中古物件や古民家のリフォームをご検討中の方にとって、必ずお役に立てる内容となっております。ぜひ最後までお読みください。



第1章:【無料傾き診断】現場調査で判明した「再沈下」の衝撃の事実

私たち五月女建設「傾き相談室」にご連絡をいただいた後、速やかに茨城県稲敷市の現地へ赴き、「無料の傾き診断」を実施いたしました。

深さ14mまで続く軟弱地盤の正体

家の傾きを根本から直すためには、「なぜ傾いたのか?」という原因を正確に突き止めることが最も重要です。本来であれば、建物のすぐ近くで詳細な地盤調査(ボーリング調査など)を行うべきですが、今回は無料診断の範囲内でできる限りのことを行うため、私たちが保有している周辺の地盤調査データ(公的なボーリング柱状図など)を参照し、推測と分析を行いました。

その結果、驚くべき事実が判明しました。この地域一帯は、N値50に達する強固な支持層が、地下深く14mまで存在しない、非常に軟弱な地盤であることがわかったのです。

※専門用語解説:N値(エヌち)とは? 地盤の硬さや締まり具合を示す指標です。一般的にN値が50以上になると、高層ビルでも支えられる非常に強固な地盤(支持層)とみなされます。逆にN値が0〜5程度の地盤は軟弱地盤と呼ばれます。

最大の原因は「過去の不適切な修繕」と「木材の腐食」

軟弱地盤であることや、過去の地震による地盤沈下の影響もゼロではありません。しかし、床板や畳を上げて床下の基礎構造を念入りに調査したところ、沈下の最大の要因は全く別のところにありました。

それは、「柱下部に敷いてある木材の腐食」でした。

木材の腐食している様子
礎石の割れている様子

実はこちらの建物、約20年前に一度、別の業者によって沈下修正工事が行われていました。その際、土台下の腐食した部分を交換する工事が行われていたのですが、土石(地面)の環境は改善されずそのままの状態で、新たに木材や木板を敷き詰めただけの応急処置に近い施工となっていました。

長年の湿気により、その時敷かれた木板が完全に腐って潰れてしまい、結果として再び家が沈み込んでしまったのです。

なぜ前の業者の工事は失敗したのか?「礎石」の材質問題

さらに調査を進めると、過去の施工業者が犯した決定的なミスが見えてきました。それは、柱を支える「礎石(そせき)」の選定です。

こちらの住宅の礎石には、凝灰岩(ぎょうかいがん)が使用されていました。当時の流通量や地域性を考慮すると、おそらく大谷石(おおやいし)か里美石(さとみいし)と考えられます。他の場所にある束石(つかいし)の沈下量がそれほど大きくなかったことからも、以下の2点で前回の沈下対策が極めて不十分であったと断言できます。

  1. 吸水性の高さによる腐食の誘発: 凝灰岩は加工がしやすいというメリットがある反面、非常に吸水性が高いという致命的な弱点を持っています。地面からの湿気をスポンジのように吸い上げてしまい、それが直接触れている柱や木板に移行することで、木材の腐敗を猛スピードで進行させていました。
  2. 引張強度の不足による破損: 凝灰岩は、上から押し潰される力(圧縮強度)に対しては建築物として有効な数値を持ちますが、引っ張られる力や曲げられる力(引張強度)には非常に弱い性質があります。前回の工事では、この凝灰岩をわずか5cm程度の薄さで使用して木材を噛ませていたため、荷重に耐えきれずひび割れが発生していました。

つまり、20年前の業者は、腐食のために柱を切断して新しい木材を敷くという「表面的な対処」は行ったものの、「なぜ腐食したのか?」「どのような材質の石材・木材を使えば再発を防げるのか?」という根本原因に応じた対策を行っていなかったのです。奇しくも、全く同じ原因で二度目の沈下を引き起こす結果となってしまいました。

現場の写真を詳細に分析すると、建物の荷重がどのように基礎へかかり、どこに無理が生じているかが手に取るようにわかります。私たち専門家から見れば、これは起こるべくして起きた再沈下でした。

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第2章:古民家の歴史を引き継ぐ。専門家が選ぶ「耐圧盤工法」

家の傾きを根本的に治療し、再沈下を防ぐためには、地盤の性質に合わせた適切な工法を選ぶ必要があります。

今回のように地下14mまで軟弱地盤が続く場合、最も最適な工法としては、強固な支持層まで鋼管の杭を打ち込む「鋼管杭工法」や、地盤そのものを硬くする「薬液注入工法」を採用するのが一般的であり、物理的な安定性は最も高くなります。

しかし、私たちは建物の状態とお客様の想いを総合的に判断しました。この家は築100年を超える立派な古民家です。今まで先祖代々引き継いできた歴史、そしてこれからもこの家を大切に引き継いでいきたいというお客様の強いご希望がありました。杭工法などの大規模な工事は建物への負担も大きく、大掛かりな解体を伴う場合もあります。

十分な協議と検討を重ねた結果、今回は建物の負担を最小限に抑えつつ、確実な面で支える「耐圧盤(たいあつばん)工法」を採用することに決定しました。

数ミリのズレも許されない!揚家(あげや)のための事前準備

工事はまず、建物を傷つけないようにしっかりと養生することから始まります。畳や床板を一枚ずつ丁寧に剥がし、後で正確に元通りに戻せるよう、すべての部材に番号を貼り付けて管理します。

次に、柱を持ち上げる(揚家する)ための準備に入ります。柱を晒布(さらし)で保護し、そこにジャッキアップの力を伝えるための頑丈な角材を抱き合わせます。

建物を傷めないよう、「柱表面と角材の摩擦力」で家全体を持ち上げます。特殊な鋼製のバンドを用いて、柱と角材をボルトで極限まで強く締め付け、摩擦力を最大化します。今回はH100(高さ100mmのH型鋼)という強度の高い鋼材を用いて足場を組み立て、敷居に余計な荷重がかからないように計算した配置で枕木を組んでいきました。


第3章:品質を担保する強度と材質のこだわり(施工の全貌)

枕木と鋼材のセットが完了したら、いよいよ家を持ち上げる「ジャッキアップ」の工程です。

今回は、狭い床下でも強力な力を発揮する低床ジャッキを4台、そして爪ジャッキを2台使用しました。ただ闇雲に持ち上げるのではなく、ミリ単位の精度を誇る墨出しレーザーレベルを使用し、家全体のバランスを見ながら、各柱の高さを慎重かつ均等に合わせていきます。

吸水しない・割れない!礎石に「国産白御影石」を採用

ジャッキで指定の高さまで持ち上げたら、ストップジャッキをかけて建物を空中で固定します。そして、問題の元凶であった旧礎石(凝灰岩)を撤去し、新しい礎石を設置します。

私たちが今回用意したのは、最高品質の「国産白御影石(しろみかげいし)」です。

御影石(花崗岩)は、墓石などにも使われる非常に硬く耐久性の高い石材です。一般的な硬質御影石は、圧縮強度が100 N/mm²(1平方ミリメートルあたり約10kg、1平方センチメートルあたり約1トンの荷重に耐える強度)を超えることも珍しくありません。凝灰岩とは比べ物にならない圧倒的な強度を誇り、今回のような古民家の太い柱を長期間受け止める礎石としては、これ以上ない最適な材質と言えます。

さらに、吸水率が極めて低いため、地面からの湿気をシャットアウトします。今回は現状の地盤面から350mm以上の空間間隔を確保できるように礎石を設置しました。建築基準法などでも床下空間の確保は防湿の観点から重要視されていますが、350mmのクリアランスを設けることで風通しを良くし、将来的な木材の「再腐食」をしっかりと防ぐ構造に仕上げました。

妥協なき基礎造り:コンクリート強度と鉄筋の緻密な計算

礎石を下から支える「耐圧盤(ベース)」の施工にも、専門業者としてのこだわりが詰まっています。

地盤の上にC40-0砕石(粒度が40~0mm混ざった砕石)を厚さ150mmで敷き詰めて転圧し、その上に厚さ150mmのコンクリートを打設して、強固な面(盤)を作り上げます。

ジャッキアップ作業中、建物の重量が「事前の想定よりも重い」ことが判明しました。築100年の古民家は、現代の住宅よりも太く重い無垢材がふんだんに使われているためです。そこで私たちは一部当初設計を見直し、礎石下部のコンクリートにD16(直径16mmの異形鉄筋)を用いて徹底的な補強を行いました。これは一般的な住宅基礎ではD10、D13(直径10~13mm)が使われることが多いことに対し、古民家ならではの柱を一点で受ける礎石の荷重に対し、鉄筋の引張強度を利用して、より広い面積に分散させることを意図として太く強靭な鉄筋を採用しています。

この鉄筋を、建物を支えているストップジャッキの周囲にしっかりと絡めるように配筋しました。これにより、コンクリートが硬化してジャッキを外した(ジャッキダウンした)際に、コンクリートにひび割れが生じて再び沈下してしまうリスクをゼロに近づけていきます。

使用したコンクリートの設計基準強度は24 N/mm²。さらに、今回は「GW前に工事を完了させて欲しい」というお客様からの要望を頂いたため、工期を短縮しつつ確実な強度を出すため「早強ポルトランドセメント」を使用しました。通常、早強セメントの養生(固まるのを待つ期間)は3日間で十分ですが、今回は休業日が重なったことも幸いし、丸4日間の養生期間を確保することができました。これにより、コンクリートはさらにカチカチに硬化し、万全の基礎が完成しました。

最後に、仕上げとして残っている木材の表面に強力な防腐剤を丁寧に塗布し、すべての床下作業が完了しました。


第4章:家の傾き修正の費用と、安心できる暮らしの実現

コンクリートが完全に硬化したことを確認し、ジャッキをゆっくりと降ろして新しい礎石に建物の荷重を預けます。レーザーレベル(緑のレーザー)で最終確認を行い、家全体が新築時のように見事な水平を取り戻したことを確認しました。

ジャッキアップによって生じた壁や床とのわずかな隙間については、通気性を確保しつつ荷重を分散させる「基礎パッキン」を使用してきれいに調整・対応しています。剥がしておいた畳や床板を番号順に元通りに敷き直し、工事は無事完了です。

固くてビクともしなかった襖は、指一本でスッと開け閉めできるようになりました。床を歩いた時のフワフワとした違和感も消え去り、お客様からは「まるで別の家になったようだ。これで安心して次の世代にこの家を引き継げます」と、大変ありがたいお言葉を頂戴いたしました。

気になる「家の傾き 修理 費用」について

今回の茨城県稲敷市の板橋様邸における、耐圧盤工法を用いた沈下修正・ジャッキアップ工事の総費用は、「税込140万円」となりました。

家の傾きを直す費用は、建物の大きさ、傾きの度合い、地盤の状況、そして採用する工法(杭工法なのか、薬液注入なのか、耐圧盤なのか)によって大きく変動します。決して安い金額ではありませんが、家を建て替えたり、大規模なリフォームを行ったりする費用に比べれば、はるかにコストを抑えて安全を取り戻すことができます。

何より、今回のように「過去に安価な応急処置で済ませた結果、20年後に同じ原因で再沈下してしまい、二重の出費になってしまった」というケースが最も避けなければならない事態です。

私たち五月女建設は、目先の安さやスピードだけを売りにはしません。徹底した原因究明と、強度・材質に裏打ちされた「二度と傾かせない」ための確実な施工をお約束いたします。


結び:家の傾きに悩んだら、まずは専門家に相談を

家の傾きは、人間の風邪のように「放っておけば自然に治る」というものではありません。放置すればするほど建物の歪みはひどくなり、修復にかかる費用も雪だるま式に膨れ上がってしまいます。最悪の場合、大切なご家族の健康被害や、地震による倒壊といった取り返しのつかない事態を招きかねません。

  • ドアが勝手に閉まる・開く
  • 外壁や基礎にひび割れ(クラック)が入っている
  • 築年数が古く、一度も基礎の点検をしていない
  • 以前、家の傾きを直したはずなのに、また傾いてきた気がする

もし一つでも心当たりがあるなら、今すぐ行動を起こすことを強くお勧めします。 「まだ大丈夫だろう」「調査だけでも高額なお金を取られるのではないか」と不安に思う必要はありません。

五月女建設「傾き相談室」では、熟練の専門スタッフによる「傾き無料診断」を随時受け付けております。最新の機器を用いた現状の計測から、図面や周辺データに基づく原因の推測、そして最適な修繕プランと明確な費用のお見積もりまで、無料でご提案させていただきます。無理な営業やしつこい勧誘は一切いたしません。

ご自宅の現状を正確に「知る」ことが、安心できる暮らしを取り戻すための第一歩です。 少しでも不安を感じたら、迷わず下のボタンをクリックして、私たち専門家にご相談ください。あなたの長年のお悩みを、私たちが確かな技術で解決いたします!

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曳家先生 責任

記事の筆者

代表取締役 五月女 紀士

五月女建設代表取締役、日本曳家協会常任理事、曳家指導士。古民家鑑定士。1979年栃木県鹿沼市生まれ、栃木県鹿沼市在住。日本大学生産工学部土木工学科卒業。2003年に建設業の道に入り、土木作業、施工管理業務を経験したのち、2005年より五月女建設に入社、曳家業務に従事する。国指定有形文化財「真岡高校記念館」での曳家技術を活かした耐震改修工事では現場監督を務め、2018年に専務取締役、2020年に代表取締役に就任する。現在、「お客様の『想い』に寄り添い対等な関係を構築する」営業で、曳家工事において全国でもトップクラスの件数を受注している。曳家先生として、曳家技術や地盤沈下、大雨被害対策、古民家再生の解説・講演を行いつつ、大好きな仕事に励んでいる。3児の父、休日は山や川での犬散歩を喜びとしている。曳家工事の専門家。

代表取締役
五月女 紀士

五月女建設代表取締役、日本曳家協会常任理事、曳家指導士。古民家鑑定士。1979年栃木県鹿沼市生まれ、栃木県鹿沼市在住。日本大学生産工学部土木工学科卒業。2003年に建設業の道に入り、土木作業、施工管理業務を経験したのち、2005年より五月女建設に入社、曳家業務に従事する。国指定有形文化財「真岡高校記念館」での曳家技術を活かした耐震改修工事では現場監督を務め、2018年に専務取締役、2020年に代表取締役に就任する。現在、「お客様の『想い』に寄り添い対等な関係を構築する」営業で、曳家工事において全国でもトップクラスの件数を受注している。曳家先生として、曳家技術や地盤沈下、大雨被害対策、古民家再生の解説・講演を行いつつ、大好きな仕事に励んでいる。3児の父、休日は山や川での犬散歩を喜びとしている。曳家工事の専門家。

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