家の傾き直し 栃木県鹿沼市|施工事例|木造二階建住宅
この工事の概要
| 所在地 | 栃木県鹿沼市 |
|---|---|
| 建物 | 木造二階建て住宅 |
| 症状 | 最大37mmの沈下。布基礎の下が空洞化 |
| 原因 | 河川近くの地下水位変動による土砂流出/埋戻し材の締め固め不足/過去の床下浸水 |
| 工法 | 土台揚げ工法 |

栃木県鹿沼市にて、地盤の陥没が原因で発生した建物の不同沈下(家の傾き)を修正する工事を行いました。
河川近くという立地条件特有の原因や、基礎下の空洞への対処法など、実際の施工の流れをご紹介します。
1.現地調査・家の傾き診断
まずは、無料の「傾き診断」をご依頼いただき、現状把握のための徹底した調査を行いました。
- 調査方法: 墨出しレーザーレベルを用いた沈下量調査
- 調査結果: 最大37mmの沈下を確認
【専門家の一言】 一般的に、30mmを超える家の傾きは、めまいや頭痛などの健康被害や、ドアが開かなくなるなどの建具の不具合を誘発する危険なレベルです。そのため、放置せず早急な対策が必要となります。


2.床下検査で判明した「基礎下の空洞化」
続いて床下へ潜り、基礎の状態を詳しく検査しました。その結果、家の傾きの直接的な原因として、布基礎(フーチング基礎)の下に大きな陥没(空洞)が発生していることが判明しました。
陥没が発生した推定原因
調査の結果、以下の複合的な要因により、地盤の支持力が失われたと推定されます。
- 地下水位の変化: 近くに河川があり、繰り返される増水や水位の変動により、基礎下の土砂が少しずつ流出した可能性。
- 埋戻し材の不良: 基礎新築時の埋戻し土が十分に締め固められていなかった、あるいは適切な材料が使われていなかった可能性。
- 過去の床下浸水: 浸水による水の圧力が、基礎下の土を緩ませる要因となっていました。
フーチング基礎の下が完全に空洞化しており、「基礎が地面に浮いている」危険な状態でした。


フーチング基礎の下が空洞になっています。
過去、床下浸水もあったようで、その影響による陥没も考えられます。水の力は侮れません。
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3.施工計画と工法の選定
地盤調査の結果、深層地盤の支持力は安定しており、再沈下の可能性は低いと判断。コストと確実性のバランスを考慮し、以下の2ステップの計画を立てました。
【ステップ1】発泡モルタルによる空洞充填
└ 基礎下の空洞を充填剤で埋め、安定した地盤へ復元する
↓
【ステップ2】土台揚げ工法によるレベル調整
└ 精密ジャッキアップにより、ミリ単位で建物の水平を取り戻す
ステップ1:発泡モルタルによる空洞充填
傾きを直す前に、まずは基礎下の空洞を安定させる必要があります。
- 工法: 充填剤(発泡モルタル系材料)の注入
- 作業内容: 狭い床下での重労働となりますが、人力のバケツ運搬とポンプ圧送を組み合わせ、隅々まで材料を充填。基礎の下を「面」で支える状態に戻します。
ステップ2:土台揚げ工法によるレベル調整
空洞の充填完了後、「土台揚げ工法」を採用して家の水平を取り戻します。
- メリット: 建物全体を持ち上げる大掛かりなジャッキアップに比べ、工期を抑えつつミリ単位での精密な調整が可能です。

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4.家の傾き直し工事1:空洞充填
空洞充填
まず充填剤を用いて基礎下の空洞を埋めていきます。
※赤丸部分が充填箇所です。
床下という狭い空間での作業となるため、かなりの重労働です。しかし、作業員による人力のバケツ運搬とポンプ圧送を組み合わせることで、隅々まで隙間なく材料を充填できました。

5.家の傾き直し工事2:土台揚げ工法
下地となる地盤の充填が完了した後、いよいよ「土台揚げ工法」によるジャッキアップを行います。
地盤調査により再沈下の可能性が低いことが分かっている場合、土台揚げ工法を採用することで「工期の短縮」と「施工費用全体の圧縮」を実現できます。
さらに、レーザーレベルで高さを慎重かつ丁寧に測定しながら、ミリ単位でジャッキアップを進めていきました

6.傾き直し 土台揚げ工法の費用
実際の家の傾き直し、土台揚げ工法にかかった費用は以下の通りです。
| 工事項目 | 規格・仕様 | 単位 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| A. 揚家工事(まとめ) | |||||
| 機材、器具損料 | ジャッキ・枕木等曳方機器・工具消耗費他 | 式 | 1.0 | 80,000 | 80,000 |
| 同上運搬費 | 4t | 式 | 1.0 | 70,000 | 70,000 |
| 既設基礎はつり | ジャッキ設置位置、アンカー位置 | 個所 | 8.0 | 6,000 | 48,000 |
| 揚家工 | 個所 | 15.0 | 8,000 | 120,000 | |
| 仮受工 | 個所 | 15.0 | 3,000 | 45,000 | |
| アンカー部土台切欠き | 個所 | 16.0 | 3,000 | 48,000 | |
| 木束受け | 箇所 | 13.0 | 2,000 | 26,000 | |
| モルタル補修 | 型枠・モルタル詰め・整形 | 式 | 1.0 | 90,000 | 90,000 |
| コンクリート殻など廃材処分 | コンクリート殻・木束など運搬処分費込 | 式 | 1.0 | 10,000 | 10,000 |
| 合 計 | 537,000 | ||||
※上記金額は主要作業項目の内訳です。建物の大きさや空洞充填の規模により総額は変動します。)
家の傾き直しに関するよくある質問(Q&A 10選)
Q1. 今回の栃木県鹿沼市の事例で、家が傾いた主な原因は何ですか?
A1. 主な原因は、近くを流れる河川の影響による「地下水位の変化」、建築時の「埋戻し材の締め固め不足」、そして過去に発生した「床下浸水」です。これら複数の要因が重なり、基礎下の土砂が流出して大きな空洞(陥没)が発生し、建物が傾く(不同沈下)原因となりました。
Q2. 家の傾きはどれくらいから危険ですか?体に症状が出ることもありますか?
A2. 傾き(沈下量)が30mm(3cm)を超えると注意が必要です。ドアや引き戸が開かなくなるなどの不具合だけでなく、平衡感覚が狂うことで「頭痛」「めまい」「吐き気」といった健康被害を引き起こす可能性が高まります。事例のお宅では最大37mmの傾きが確認されたため、早急な修正工事が必要な状態でした。
Q3. 「家の傾き診断」では具体的にどのような調査を行うのですか?
A3. 専門機器である「墨出しレーザーレベル」などを用いて、建物の床・柱・基礎の水平度や高低差をミリ単位で測定します。どの場所がどれくらい沈下しているかを正確に把握した上で、最適な修正工法をご提案いたします。
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Q4. 基礎の下に空洞ができていると、どのようなリスクがありますか?
A4. 基礎が地面に接しておらず、いわば「家が空中に浮いている」非常に危険な状態になります。そのまま放置すると建物の重みを面で支えられなくなり、地震や大雨の際に再沈下を引き起こしたり、基礎そのものが割れて建物を大きく歪ませたりするリスクがあります。
Q5. 基礎下の空洞はどのように埋めるのですか?
A5. 「発泡モルタル」と呼ばれる軽量かつ強度の高い充填材料を注入して埋めます。床下の狭い空間で作業員がバケツ運搬と圧送ポンプを組み合わせ、隅々まで隙間なく流し込むことで、再び基礎を「面」でしっかり支えられる状態へと復元します。
Q6. 今回採用された「土台揚げ工法」とはどんな工法ですか?
A6. 基礎と土台(柱の土台となる木材)の間にジャッキを設置し、ミリ単位で測定しながら精密に持ち上げて建物の水平を取り戻す工法です。地盤の深層部分に十分な支持力があり、再沈下の可能性が低いと判断された場合に非常に有効な手立てとなります。
Q7. 土台揚げ工法にはどのようなメリットがありますか?
A7. 地盤全体を深く補強する大掛かりな工法(鋼管杭打ち等)に比べて、「工期を大幅に短縮できること」と「工事金額を抑えてコスト圧縮ができること」が大きなメリットです。
Q8. 家の傾き直し工事の期間中、仮住まいへ引っ越す必要がありますか?
A8. いいえ、基本的に住みながら(仮住まいなしで)工事が可能です。今回の「空洞充填」や「土台揚げ工法」は床下や基礎周りからの施工が中心となるため、普段通りの生活を送りながら施工を進めることができます。
Q9. 傾き直し(土台揚げ工法)の費用にはどんな項目が含まれますか?
A9. 主な内訳としては、以下の項目が含まれます。
- 機材・器具損料(ジャッキや枕木など特殊機器の費用)
- 機材運搬費(4tトラック等での搬入費用)
- 既設基礎はつり費(ジャッキ設置場所の加工費)
- 揚家工(レーザー計測をしながら行う精密ジャッキアップ作業費)
※このほかに、空洞を埋める材料費・施工費などが建物規模に応じて加算されます。
Q10. 我が家にはどの工法が合っているのか、どうやって判断すればよいですか?
A10. 傾きの度合い、建物の構造(木造・鉄骨等)、そして地盤の状態(深層地盤の硬さや空洞の有無)によって最適な工法は全く異なります。誤った工法を選ぶと再沈下のリスクもあるため、まずは専門業者による現地調査や「無料の傾き診断」をご利用いただくのが第一歩となります。
まとめ
家の傾きは放置すると健康被害や建物の耐久性低下を引き起こします。特に河川の近くなど地盤が影響を受けやすい地域では、目に見えない場所で空洞化が進行しているケースが少なくありません。
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